電卓の選び方に関するQ&A(9)
日本国内ではSHARPとCASIOの2社が有名です。この2つのメーカーから選べば間違いはありません。
なお、100均などで数百円で売っているおもちゃみたいな電卓は、必須機能である「早打ち機能」が付いていない可能性が高いです。安物買いの銭失いにならないように気をつけましょう。
簿記検定ナビでは「SHARP EL-VN82」「SHARP EL-G37」「CASIO JS-20WK」の3台を特におすすめしています。
おすすめ簿記電卓のページで詳細をまとめていますので、電卓選びで迷っている方はぜひ参考にしてください。この3台ならどれを選んでも間違いはないです。
日本商工会議所の試験科目・注意事項ページの「受験に際しての諸注意事項」欄にて、試験に持ち込むことができる計算器具が明示されています。
計算器具(そろばん、電卓。どちらかを1つ)を使用しても構いません。ただし、電卓は、計算機能(四則演算)のみのものに限り、例えば、以下の機能があるものは持ち込みできません。・印刷(出力)機能・メロディー(音の出る)機能・プログラム機能(例:関数電卓等の多機能な電卓、売価計算・原価計算等の公式の記憶機能がある電卓)・辞書機能(文字入力を含む)(注)ただし、次のような機能は、プログラム機能に該当しないものとして、試験会場での使用を可とします。日数計算、時間計算、換算、税計算、検算 (音の出ないものに限る)
よって、以下の機能が付いている電卓は使用することができません。
- 印刷(出力)機能が付いている電卓
- メロディー(音の出る)機能が付いている電卓
- プログラム機能が付いている電卓(ex.関数電卓等の多機能な電卓)
- 辞書機能が付いている電卓
以下の機能に関してはプログラム機能に該当しないものとみなされるため、使用することができます。
- 日数計算機能が付いている電卓
- 時間計算機能が付いている電卓
- 外貨換算機能が付いている電卓
- 税計算機能が付いている電卓
- 検算機能(音なし)が付いている電卓
検算機能には「音が出る方式(ピピッと音がなる)」と「音が出ない方式(画面上にOKと表示される)」の2種類があります。音が出る方式は通常、設定で機能をオフにすることができるため、試験前に音が出ないように設定しておけば使用することができます。
簿記初級・原価計算初級のネット試験、簿記3級・簿記2級・簿記1級の統一試験(ペーパー試験)は、電卓かそろばんのどちらか1つを持ち込んで使うことができます。
一方、簿記3級・簿記2級のネット試験ではそろばんの持ち込みが認められていないため、そろばんを使うことはできません。電卓の使用のみが認められています。
12桁の電卓がおすすめです。
簿記3級までであれば10桁でも足りますが、簿記2級以上になると計算過程で金額が大きくなることがあるので、12桁の電卓をご用意ください。
電卓の早打ち機能とは、キーから指が離れる前にキーを押し始めても次のキーが入力される機能です。素早く計算するために必須の機能です。
キーから指が離れる前にキーを押し始めても次のキーが入力されるものを2キーロールオーバー、キーから指が離れる前にキーを押し始めても次の次のキーまで入力されるものを3キーロールオーバーといいます。
- ①②の順番でキーを押し続けて、①②の順番で指を離すと「12」と表示される→早打ち機能が付いている
- ①②の順番でキーを押し続けて、①②の順番で指を離すと「12」と表示されない→早打ち機能が付いていない
3キーロールオーバーは「CASIO S100」などの一部の高級電卓に実装されている機能です。簿記検定で使う分には2キーロールオーバーでじゅうぶんです。
電卓のアンサーチェック機能(検算機能)とは、前回の計算結果と数字が一致した場合に「ピピッという音」や「OKという表示」で知らせてくれる機能です。「ピピッという音」は設定でオフにすることもできます。
電卓の日数計算機能とは、指定した期間の「日数」を計算できる機能です。利息の日割計算などをするさいに使います。
例えば、10月1日から2月25にまでの日数を自分で数えると…結構時間がかかりますよね。日数計算機能を使えば5秒程度で正確な日数を計算することができます。
期間のカウント方法は、初日と最終日を両方とも含める「両入」、どちらか片方だけを含める「片落」、両方とも含めない「両落」など細かく設定することができます。
予備の電卓は、基本的には不要です。
試験に電卓を忘れたという話しはたまに聞きますが、試験中に電卓が壊れたという話しは一度も聞いたことがないからです。
ただ、心配性の方は予備の電卓を持っていくことにより心が落ち着くと思いますし、使っている電卓の挙動がすでにおかしい場合は、予備の電卓を用意しておくに越したことはありません。
電卓の使い方に関するQ&A(8)
電卓の液晶の下あたりに付いているスイッチはメーカー・機種によって異なりますが、結論は「F」を探して「F」にスイッチを合わせる、です。
「F」というのは勝手に数字を切り上げたり切り下げたりしないでね、という指定です。計算結果がそのまま表示されます。
ちなみに、「F」「UP(↑)」「CUT(↓)」「5/4」などと書かれているスイッチをラウンドセレクターといいます。このスイッチで小数点以下をどのように処理するか(切り上げ・切り捨て・四捨五入)を指定します。
「5」「4」「3」「2」「1」「0」「A(ADD2)」などと書かれているスイッチを小数点セレクターといいます。このスイッチで小数点以下の表示桁数を指定します。「F」はラウンドセレクターではなくこっちに付いている機種も多いです。
他にもGTメモリー(グランドトータルメモリー)機能を使うかどうかを指定する「GT」「・」などのスイッチが付いている機種もあります。「F」以外の設定はお好みで選んでください。
どちらの手で打つかは好みの問題です。
- メリット:違和感なく電卓を打てる
- デメリット:数字を書くさいにペンを持ち替える必要がある
- メリット:数字を書くさいにペンを持ち替える必要がない、なんかカッコいい
- デメリット:慣れるまでは打つのに時間がかかる、指がつりそうになる
いかがでしょうか。どちらも決定的なメリット・デメリットはないので、お好きなほうをお選びください。
PCのタッチタイピングと同様に、全ての指をを効率的に使って打つのがベストです。
ただ、簿記検定は電卓の入力の速さを競う試験ではないため、1本でも2本でも3本でも4本でも、ある程度のスピードで正確に打てれば特に問題ないです。
「5」のキー中央に付いている丸ポッチは、電卓のホームポジションの目印です。右手で打つ場合、電卓のホームポジションは人差し指が「4」、中指が「5」、薬指が「6」になります。「5」に丸ポッチが付いていれば、キーを見なくても素早くホームポジションに戻ることができます。
メモリー機能は、数字を一時的に記憶する機能です。「M+」で数字を加算、「M-」で数字を減算、「RM(MR)」で記憶中の数字を表示、「CM(MC)」で記憶中の数字を消去します。
例えば、「2」「×」「3」「M+」「3」「×」「4」「M+」「RM」という順番で入力すると、2×3と3×4の合計値である「18」が表示されます。
便利な機能ですし、仕組みさえ分かればすぐに使いこなせるようになるので、なるべく早い時期に仕組みや入力方法をマスターしておきましょう。
GTメモリー機能は、「=」で終了した計算結果を自動的に集計してくれる機能です。
例えば、「2」「×」「3」「=」「3」「×」「4」「=」「GT」という順番で入力すると、2×3と3×4の合計値である「18」が表示されます。
メモリー機能と同様に便利な機能ですし、仕組みさえ分かればすぐに使いこなせるようになるので、なるべく早い時期に仕組みや入力方法をマスターしておきましょう。
定数(じょうすう)計算の入力方法は、SHARPとCASIOで異なります。
ちなみに、定数計算機能は同じ数字を「足し続けたり」「引き続けたり」「掛け続けたり」「割り続けたり」するさいに使う便利な機能です。商業簿記よりも工業簿記で使う機会が多いです。
電池は裏面のネジを外して交換するだけなので誰でもできます。
なお、使用できる電池は機種によって異なるため、電卓裏面に書かれている「使用電源の種類」や「電池の形番」を購入前に確認しておきましょう。
裏面に情報が載っていない場合は、説明書を確認するか「(電卓の型番)+交換用電池」というキーワードで検索してください。
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