第2回の各問題の難度・解答時間の目安
簿記ナビ模試(簿記2級)の第2回の各問題の難度・解答時間の目安は以下のとおりです。
- 第1問:簡単(10分)
- 第2問:普通(30分)
- 第3問:普通(20分)
- 第4問:普通(20分)
- 第5問:簡単(10分)
1回目は解答時間を気にせずにすべての問題を解いてください。点数も気にする必要はありませんが、解きっぱなしにせず間違えたところはテキストに戻ってしっかり復習しましょう。
2回目以降は各問題の難度・解答時間の目安を頭に入れたうえで、本試験を意識して「時間配分」や「解答順序」などに気を配りながら解いてみましょう。
第5問の詳細解説
標準原価計算に関する問題です。
問1・問2・問3ともに簡単な問題ですが、問2の能率差異はケアレスミスしやすいので気をつけてください。
問1 原価要素ごとの総差異の計算
総差異の計算に必要な標準直接材料費・標準直接労務費・標準製造間接費は、問題文で与えられている1個あたりの標準製造原価に実際生産量(400個)を乗じて計算します。
- 標準直接材料費:@9,000円×400個=3,600,000円
- 実際発生額:3,520,000円(※問題資料より)
- 直接材料費総差異:3,600,000円-3,520,000円=+80,000円(貸方差異)
- 標準直接労務費:@3,200円×400個=1,280,000円
- 実際発生額:1,360,000円(※問題資料より)
- 直接労務費総差異:1,280,000円-1,360,800円=△80,800円(借方差異)
- 標準製造間接費:@4,800円×400個=1,920,000円
- 実際発生額:2,100,000円(※問題資料より)
- 製造間接費総差異:1,920,000円-2,100,000円=△180,000円(借方差異)
問2 製造間接費総差異の分解(変動予算)
問題文の「当月の月間固定費予算額が900,000円、基準操業度が月間900時間である」から、先に固定費率を求めましょう。
- 固定費予算額:900,000円
- 基準操業度:900時間
- 固定費率=固定費予算額÷基準操業度=900,000円÷900時間=@1,000円
問題資料の標準原価カードにて標準配賦率(@2,400円)が与えられているので、先に計算した固定費率との差額で変動費率を求めましょう。
- 標準配賦率=変動費率+固定費率
- 変動費率=標準配賦率-固定費率=@2,400円-1,000円=@1,400円
変動費率と固定比率が判明したら、予算差異・能率差異・操業度差異を計算しましょう。
なお、本問は問題文に「能率差異は変動費および固定費からなるものとして計算すること」という指示があるので、変動費能率差異と固定費能率差異の合計額を能率差異として把握します。
- 予算許容額:@1,400円×840時間+900,000円=2,076,000円
- 予算差異:2,076,000円-2,100,000円=△24,000円(借方差異)
- 変動費能率差異:(800時間-840時間)×@1,400円=△56,000円(借方差異)
- 固定費能率差異:(800時間-840時間)×@1,000円=△40,000円(借方差異)
- 能率差異:変動費能率差異+固定費能率差異=△96,000円(借方差異)
- 操業度差異:(840時間-900時間)×@1,000円=△60,000円(借方差異)
なお、問題文の「能率差異は変動費および固定費からなるものとして計算すること」から、以下の表の「3分法①」のパターンが問われていることが分かります。よって、変動費能率差異と固定費能率差異の合計額を能率差異として把握します。
もし仮に、問題の指示が「能率差異は変動費のみからなるものとして計算すること」になっていた場合は、以下の表の「3分法②」のパターンが問われていると判断し、変動費能率差異のみを能率差異として、固定費能率差異は操業度差異に含めて把握します。
以下の表の内容は非常に重要です。完ぺきに押さえておきましょう。
4分法 | 3分法① | 3分法② |
---|---|---|
予算差異 ▲24,000円 |
予算差異 ▲24,000円 |
予算差異 ▲24,000円 |
変動費能率差異 ▲56,000円 |
能率差異 ▲96,000円 |
能率差異 ▲56,000円 |
固定費能率差異 ▲40,000円 |
操業度差異 ▲100,000円 |
|
操業度差異 ▲60,000円 |
操業度差異 ▲60,000円 |
問3 実際発生額と差異の関係
問題文に「当月の製造間接費の実際発生額が2,100,000円ではなく2,120,000円で、かつ、他の条件が変化しなかったと仮定する」とあるので、製造間接費の実際発生額を2,100,000円から2,120,000円に変更してみましょう。
- 予算差異:△24,000円(借方差異)→△44,000円(借方差異)
- 変動費能率差異:変動なし
- 固定費能率差異:変動なし
- 能率差異:変動費能率差異+固定費能率差異=変動なし
- 操業度差異:変動なし
その結果、実際発生額が変動した分だけ予算差異が変動していることが分かるため、「予算差異が20,000円変動する」が正解になります。
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