仕訳対策教材「重要仕訳TOP100」

簿記3級 重要仕訳TOP100「固定資産の購入(付随費用あり①)」

仕訳問題

難度:高・中・

重要度:A・B

店舗拡張のため、土地300㎡を1㎡につき ¥ 10,000 で購入し、代金は登記費用 ¥ 100,000 とともに小切手を振り出して支払った。

勘定科目は次の中から最も適当なものを選びなさい。
現金 当座預金 普通預金 仮払金
土地 未払金 法定福利費 支払手数料
支払家賃 支払地代 保険料 租税公課

解答仕訳

借方科目 金額 貸方科目 金額
土地 3,100,000 ※1 当座預金 3,100,000

※1 @10,000円×300㎡+100,000円=3,100,000円




解説

固定資産の購入(付随費用あり①)に関する問題です。

本問は、取引を「土地の購入に関する取引」と「登記費用に関する取引」の2つに分けて考えましょう。

土地の購入に関する取引

問題文に「土地300㎡を1㎡につき ¥ 10,000 で購入し…小切手を振り出して支払った」とあるので、土地の増加および当座預金の減少として処理します。

土地の購入代価=@10,000円×300㎡=3,000,000円

解答①:土地の購入に関する取引
(借)土地 3,000,000
 (貸)当座預金 3,000,000

登記費用に関する取引

登記費用や仲介手数料など、固定資産を購入するさいに発生する費用(付随費用)は取得原価に含めて処理します。

本問は、問題文に「登記費用 ¥ 100,000 とともに小切手を振り出して支払った」とあるので、登記費用100,000円は土地の取得原価に含めて処理します。

固定資産の取得原価=購入代価3,000,000円+付随費用100,000円=3,100,000円

解答②:登記費用に関する取引
(借)土地 100,000
 (貸)当座預金 100,000

まとめ

以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

田口先生1
田口先生
固定資産の取得に関連して支出した費用(付随費用)は、原則として取得原価に含めて処理します。ただし、不動産取得税・自動車取得税・登録免許税・司法書士報酬などの登記費用の一部は当期の費用(租税公課や支払手数料)として処理することが可能です。

よって、本問のように登記費用について特別な指示がない場合は、原則どおり取得原価に含めて処理しますが、問題文に「登記費用は当期の費用として処理すこと」などの指示がある場合は、指示に従って適切に処理しましょう。

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5.金銭の貸借(全8問)
6.仮受金・仮払金・前受金・前払金(全7問)
7.固定資産(全11問)
8.商品券(全2問)
9.消耗品・貯蔵品(全4問)
10.各種税金(全11問)
11.資本取引(全3問)
12.決算整理仕訳(全4問)
13.決算振替仕訳(全3問)
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POSTED COMMENT

  1. いずみ より:

    簿記3級 重要仕訳TOP100「固定資産の購入(付随費用あり①)」
    土地の購入の際の登記費用は経費計上ではないでしょうか。

    https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/renketsu/06/06_03_01.htm

    • 田口泰久(管理人) より:

      コメントありがとうございます。

      ご指摘のとおり、法人税基本通達7-3-3の2の「固定資産の取得価額に算入しないことができる費用の例示」の(1)で「登録免許税その他登記又は登録のために要する費用」が列挙されています。
      実務においては不動産取得税・登録免許税・司法書士報酬などは取得原価に含めずに、租税公課や支払手数料などで費用処理することができます。

      ただ、簿記3級では登記料を租税公課ではなく取得原価に含めて処理する仕訳問題が過去に出題されていますし、私の手元にある最新版の市販テキストでも「仲介手数料や登記料は取得原価に含める」と説明されているため、本問題でも取得原価に含めて処理しています。

      2021年度版の仕訳対策教材につきましては現時点で修正する予定はありませんが、2022年度版に改訂するさいに紛らわしい付随費用については「必ず取得原価に含めなければいけない費用に置き換える」など適宜修正したいと思います。

      この度は貴重なご意見ありがとうございました。

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