簿記2級重要仕訳TOP100 課税所得の計算（損金不算入）

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仕訳問題

難度：高・中・低

重要度：A・B

決算において、税引前当期純利益￥ 1,000,000 を計上したが、貸倒引当金繰入の損金不算入額￥ 10,000 および減価償却費の損金不算入額￥ 90,000 があることが判明した。当期の法人税等の法定実効税率を40％として、未払法人税等を計上する。なお、中間申告のさいに計上した仮払法人税等の残高は￥ 250,000 である。

勘定科目は次の中から最も適当なものを選びなさい。
仮払法人税等	未払法人税等	貸倒引当金	減価償却累計額
繰越利益剰余金	還付法人税等	貸倒引当金繰入	減価償却費
法人税等	追徴法人税等	法人税等調整額	損益

解答仕訳

借方科目	金額		貸方科目	金額

法人税等	440,000	※1	仮払法人税等	250,000
			未払法人税等	190,000	※2

※1 （1,000,000円＋10,000円＋90,000円）×40％＝440,000円
※2 440,000円－250,000円＝190,000円（貸借差額）

解説

課税所得の計算（損金不算入）に関する問題です。

問題文に「貸倒引当金繰入の損金不算入額￥ 10,000 および減価償却費の損金不算入額￥ 90,000 があることが判明」とあるので、まずは法人税等の計算のベースになる税法上の利益（課税所得）を計算しましょう。

損金不算入とは「会計上は費用になるけど税法上は費用（損金）にはならない」ことを意味するため、税法上の利益は会計上の利益よりも損金不算入の分だけ多くなります。

よって、会計上の利益が1,000,000円、損金不算入額が100,000円（＝10,000円＋90,000円）ならば、税法上の利益は1,100,000円になります。

会計上の利益と税法上の利益

会計上の利益：1,000,000円（問題文より）
税法上の利益：1,000,000円＋10,000円＋90,000円＝1,100,000円

税法上の利益（課税所得）を把握したら、法人税等の法定実効税率40％を乗じて法人税等の金額を計算し、さらに仮払法人税等との差額を未払法人税等で処理します。

法人税等の計算

当期の法人税等：1,100,000円×40％＝440,000円
仮払法人税等：250,000円（問題文より）
未払法人税等：440,000円－250,000円＝190,000円

田口先生

課税所得の計算（益金不算入）に関する仕訳は、課税所得の計算（益金不算入）で出題しています。本問とあわせてご確認ください。

よくいただくご質問

ナーくん

先生！「課税所得の計算」と「税効果会計」の違いがよく分からないです…。

田口先生

確かにこの2つは紛らわしいよね。
まず、「課税所得の計算」は税引前当期純利益を元に課税所得を計算し、その課税所得に税率を乗じて当期の法人税等を計算する手続きだよ。損益計算書の「法人税、住民税及び事業税」の金額を計算する手続き、と言い換えることもできるね。
一方、「税効果会計」は「課税所得の計算」で求めた当期の法人税等の金額を税引前当期純利益に対応させるための手続きだよ。損益計算書の「法人税等調整額」の金額を計算する手続き、と言い換えることもできるね。