簿記2級重要仕訳TOP100 売上割戻引当金

企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」等の適用にともない、売上割戻引当金に関する処理は簿記2級の試験範囲から外されました。2021年度以降に受験する場合、本ページの内容を学習する必要はありません。日本商工会議所の公式サイトにて詳細をご確認ください。

仕訳問題
解答仕訳
解説
- まとめ
- 参考：割戻の対象となる売上が前期分と当期分に分けられている場合の仕訳
管理人おすすめの仕訳問題集
重要仕訳TOP100 全問リスト

仕訳問題

難度：高・中・低

重要度：A・B

当社の直近3か月の売上状況を精査した結果、一定額以上の商品を購入した江國商店が￥ 200,000 の売上割戻を実施する要件を満たしていることが判明したため、同店に対する売掛金を減額した。なお、前期末の決算において売上割戻引当金￥ 180,000 を計上している。

勘定科目は次の中から最も適当なものを選びなさい。
現金	当座預金	普通預金	受取手形
売掛金	支払手形	買掛金	売上割戻引当金
売上	仕入割引	仕入	売上割引

解答仕訳

借方科目	金額		貸方科目	金額

売上割戻引当金	180,000		売掛金	200,000
売上	20,000	※1

※1 200,000円－180,000円＝20,000円（貸借差額）

解説

売上割戻引当金に関する問題です。

得意先が売上割戻の条件を満たした場合、売上割戻引当金が設定されていれば取り崩し、不足があれば売上（または売上割戻）で処理します。

本問は、問題文に「前期末の決算において売上割戻引当金￥ 180,000 を計上している」とあるので、まずはこれを取り崩します。

参考：引当金繰入時の仕訳

（借）売上割戻引当金繰入　180,000
　（貸）売上割戻引当金　180,000

解答①：売上割戻引当金の取り崩し

（借）売上割戻引当金　180,000
　（貸）売掛金　180,000

売上割戻引当金でカバーしきれなかった20,000円（＝200,000円－180,000円）は、問題に列挙されている勘定科目の中に売上がある（売上割戻がない）ので、売上の減少として処理します。

解答②：不足分の処理

（借）売上　20,000
　（貸）売掛金　20,000

まとめ

以上、①②の仕訳をまとめると解答仕訳になります。

参考：割戻の対象となる売上が前期分と当期分に分けられている場合の仕訳

本問は、問題文の「直近3か月の売上」が前期分なのか当期分なのか明示されていないため、消去法で売上割戻引当金を取り崩したうえで不足分を売上の減少として処理すると判断しますが、仮に割戻の対象となる売上が前期分なのか当期分なのか明示されている場合は以下のように処理しましょう。

前期分なのか当期分なのか明示されている場合

前期分：売上割戻引当金を取り崩して処理
当期分：売上の減少（または売上割戻）として処理

例題1

問題：当社の特定の4か月（※すべて前期分）の売上状況を精査した結果、一定額以上の商品を購入した江國商店が￥ 200,000 の売上割戻を実施する要件を満たしていることが判明したため、同店に対する売掛金を減額した。なお、前期末の決算において売上割戻引当金￥ 200,000 を計上している。

例題1：解答仕訳

（借）売上割戻引当金　200,000
　（貸）売掛金　200,000

例題2

問題：当社の特定の4か月（※すべて当期分）の売上状況を精査した結果、一定額以上の商品を購入した江國商店が￥ 200,000 の売上割戻を実施する要件を満たしていることが判明したため、同店に対する売掛金を減額した。なお、前期末の決算において売上割戻引当金￥ 200,000 を計上している。

例題2：解答仕訳

（借）売上　200,000
　（貸）売掛金　200,000

例題3

問題：当社の特定の4か月（※4か月のうち3か月は前期分、1か月は当期分）の売上状況を精査した結果、一定額以上の商品を購入した江國商店が￥ 200,000 の売上割戻を実施する要件を満たしていることが判明したため、同店に対する売掛金を減額した。なお、前期末の決算において売上割戻引当金￥ 200,000 を計上している。

例題3：解答仕訳

（借）売上割戻引当金　150,000
（借）売上　50,000
　（貸）売掛金　200,000